松陰遺墨展示館
所在地  山口県萩市
JR東萩駅南東800m松陰神社内
最終訪問日  2001/10/28
 主に吉田松陰の手紙や書籍を集めた資料館だったが、残念ながら平成18年1月13日をもって閉館した。ちなみに、開館は昭和34年8月である。
 県の文書館に収蔵されている吉田松陰の日記や詩といった史料や、松陰が所有していた蔵書などが展示されており、展示内容は一見地味だが、歴史に興味を持っている人間にとっては惹きつけられるものがある資料館だった。視覚に大きく訴えかけるでもなく、淡々と展示するスタイルは、昔ながらの資料館といった感じだろうか。
 訪れた日は日曜ということもあって、松陰神社の駐車場にはバスが何台か止まっており、吉田松陰歴史館や松下村塾は観光客で賑わっていたが、この遺墨展示館は入館している人が多くなく、館外の喧騒とはうって変わって静かな雰囲気だった。この日は何かの取材でテレビカメラが入っており、史料を接写で撮影していたが、雰囲気が変わる事なく落ち着いて見学できたのは、建物のもつ簡素な雰囲気のおかげだったかもしれない。
 書簡などを見ると、松陰の字はわりと癖字で、突出した思想を持って電撃的に行動するような一般の人間の枠に収まらない人物というイメージに似合った字とも思ったが、それはちょっと先入観に犯され過ぎだろうか。ともかく、史料を淡々と展示している、こういう資料館が閉館になるというのは、歴史好きとしては非常に惜しいが、観光が産業となっている地方では、歴史に詳しくない人でも解るような、視覚的にはっきりとしたものが求められるという事情もあるようだ。