平家の一杯水
所在地  山口県下関市
中国道下関I.C.東2.5km国道9号線沿い
最終訪問日  2002/12/7
 バスがなかなか来なかったので、次のバス停まで国道をぶらぶらと歩いている時に偶然見つけた。
 史跡というよりは伝承地の類で、壇ノ浦で敗れた平氏方の武士が、全身に傷を負いながらもなんとか海岸まで泳ぎ着き、水を飲みたいと思ったところ、浜に水溜りがあって飲むことができた。だが、次の一杯は既に塩水に変わってしまっていて、武士もそのまま息絶えたという。
 合戦で敗れ、死んでいった多くの平家武士に末期の水を飲ませてやりたいという庶民の気持ちが伝説として伝えられたといい、聞くところによると九州側にも同様のものがあるらしい。現在は国道沿いに簡単な案内板と、朽ちそうな小さな社があるが、付近には何もないので、車で行くとあっさり通り過ぎてしまうかもしれないほど、ひっそりしている。
 壇ノ浦の合戦で入水した安徳天皇を祀る赤間神宮では、正月元旦の若水神事にこの一杯水の井戸を使い、元旦の若々しい井戸の水が毎年供えられているらしい。安徳天皇といい、平家の名も無い武将といい、平家の残り香が下関には漂っている。