白兎海岸
所在地  鳥取県鳥取市
JR末恒駅西1.8km国道9号線沿い
最終訪問日  2013/5/11
曇天の白兎海岸 因幡の白ウサギの伝説で有名な海岸。
 因幡の白ウサギの話は童話として知られるが、本来は出雲の大国主命にまつわる説話のひとつである。
 淤岐嶋から稲羽へ渡りたかった白ウサギは、どちらの同族が多いか数えようとワニをだましてその背を渡ったが、騙された事を知った鮫が白ウサギの毛を剥いでしまった。白ウサギは通りかかった大国主の兄弟神達に、塩水で洗って風に当たればいいと教えられ、その通りにしたが酷くなるばかりだったので、改めて大国主に、真水で洗って蒲の穂にくるまれば治るだろうと教えられ、言われたとおりにすると治った、というのが因幡の白ウサギの話である。
 この後、白ウサギは大国主の兄弟神達が求婚した八上比売とは結婚できないと予言し、その通りに八上比売は大国主と結婚すると言うが、兄弟神達の嫉妬に遭い、大国主はスサノオの元に逃れた。そしてスサノオの娘須勢理比売の協力を得てスサノオの大刀と弓矢を持ってスサノオの下を逃れ、出雲に帰ってその武器で兄弟神達を追い払い、国造りを始めたという。
 この因幡の白ウサギの説話には、様々な解釈がある。記紀では稲羽の素菟と書かれる為、因幡や隠岐といった固有の地名ではなく、稲羽を稲を置く場、淤岐嶋を単に沖にある島とする解釈や、素兎を色ではなく何も纏わない兎とする説、また、ワニを鮫とする説から本物の鰐とする説や、はたまた海蛇とする説まであるという。ちなみに、山陰地方の方言で鮫のことをワニと呼ぶことから、一般的には話の中に出てくるワニはサメの事と解説されることが多い。
 白兎海岸自体はそれほど広くはないが、流石に日本海の水は地元瀬戸内海と比べて綺麗で、白砂の砂浜と水平線が印象的だ。ひと昔前の話になるが、日本海側にサメが大量発生した時も、ヘリからの映像にサメがとてもはっきり見えていたほどで、水の綺麗さに感動した覚えがある。また、それと同時に、この時のようにサメが何年かに1回は大量発生していたのかもしれないと考えると、ワニが鮫を指すという説に説得力があるように感じた。古代の人にとっても、サメは日常的に接する生き物だったのかもしれない。
 海岸の近くには、説話の白ウサギを祀っている白兎神社や、ハマナスが自生している南限地などもあるが、久々に訪れてみると、白兎神社の前に大きな道の駅が建てられており、雰囲気の変わり様に驚いた。国道が通っているだけの素朴な海岸線だったのだが、道の駅が建てられたことによって、今風な観光風景になるらしい。この道の駅は、駐車場も広く、海岸に直に出られる歩道橋もあり、白兎海岸や白兎神社への観光、お土産の購入など、観光拠点としてはよく出来ていた。