甲賀流忍術屋敷
所在地  滋賀県甲南町
JR甲南駅南1.5km
最終訪問日  2001/8/27
忍術屋敷全景 甲賀忍者である甲賀五十三家の筆頭格望月出雲守の邸宅として、元禄年間(1688-1704)に建てられたもの。忍者の住居としては日本で現存する唯一の屋敷である。ちなみに、甲賀は正確にはコウカと読む。
 忍者は、講談や小説、特に海外でのイメージでは何でもできるスーパーマンのようになっているが、実際は諜報や破壊活動を行う特殊工作員である。もともとは小規模な地主であったのだが、この甲賀や隣接する伊賀は山間の土地が多く、他の平野部の豪族のように大きく勢力を拡げることができなかった為、父祖伝来の土地を守るために諜報能力や特殊技術を磨いた。そして、この技術によって家や土地を守り、はたまた他の大勢力に雇われて傭兵として働いたのである。だが、その技術の性格上、秘術の詳細を他に漏らさないように一子相伝とした為、現在でも解明されていないものが少なくないらしい。
 この忍術屋敷は、一見すると普通の民家のように見えるが、内部にはどんでん返しやからくり窓、隠し梯子といった仕掛けが多数あり、当時の知識の粋を集めた防衛施設である。泰平の元禄の世となっても、身の安全を図る術を忘れてはいなかったようだ。
 忍者は、薬売りや修験者に扮し、薬や護符を売ったりしながら諸国を歩いて情報を集め、また、その任務の性格から様々な知識を持っていたが、毒を使っての暗殺や旅での健康管理など、特に医学に通じていた。その繋がりで、忍術屋敷は近江製剤という薬メーカーの所有となっており、便宜上店舗として維持しているらしいので、お土産とともに漢方中心の薬を売っていたりもする。だが、屋敷内部は忍者に関する道具などの展示がされ、案内員による解説があるなど、さながら忍者に関する資料館のようでもある。また、屋敷に入ると無料で飲める健保茶は、忍者が飲んでいたとされる薬茶で、600年の歴史を持ち、なかなかおいしかった。もちろん、近江製剤が販売もしている。