佐賀城本丸歴史館
所在地  佐賀県佐賀市
佐賀県庁南東500m
最終訪問日  2014/10/19
木造復元御殿である歴史館の玄関 佐賀城の本丸御殿を一部復元した建物で、日本で最初の木造復元御殿である。平成16年8月1日の開館。
 佐賀城が現在の形となったのは江戸時代で、それまであった龍造寺氏時代の佐嘉城を東に拡張する形で整えられ、慶長16年(1611)に竣工し、当時は城のシンボルとして蓮池城から移築された天守もあった。しかし、これら初期の建物は、享保11年(1726)の大火によって本丸から三ノ丸にかけての多くの建物が土蔵を除いて焼失し、藩政の中心は2年後に御殿が再建された二ノ丸へと移っていく。だが、その二ノ丸御殿も天保6年(1835)に焼失してしまった為、2年後に当時の藩主鍋島直正が本丸に御殿を再建した。これが、この歴史館の元になった本丸御殿である。
 御殿の復元は、本丸の発掘調査の結果や、絵図、文献史料を元に進められ、御殿全体の約3分の1の大きさが復元された。具体的な当時の間取りを現在の歴史館に落としてみると、御玄関が入口にあたり、御料理間、外御所院、御三家座などが展示スペースとなる。また、現存する直正の居室である御座間も、御殿と繋がる形で移築復元された。
 内部は、御殿自体に関する事と、江戸時代の佐賀藩や佐賀県全体に関する展示が多いのだが、やはり薩長土肥の一角として名を馳せた雄藩である佐賀藩の御殿でもあり、幕末の佐賀藩や幕末の佐賀出身の人物に関する展示が圧倒的に多い。また、復元御殿自体が展示物であるということもあって、和室や廊下から屋外の眺めを挟みつつ、大きなパネル展示を読み進めていくというのも、復元御殿らしい展示方法と言えるだろうか。同じ御殿でも、現存御殿では施設の改変ができない為、こういう展示の仕方は難しいだろう。
 前回佐賀城を訪れた際にやっていた発掘調査を見た為、その結果としての歴史館でもあり、個人的には再訪でちょっと感慨深かった。外国人観光客の姿が多かったのはちょっと驚きだったが、館内で催事、玄関前庭で歴史寸劇などが行われており、話題作りになかなか熱心な施設のようだ。この歴史寸劇は定期的に行われており、普段は御殿の中で上演されているらしい。展示自体は、パネル展示と可動模型が非常に解り易かったほか、全体的にスペースが広く、ゆったりとした気分で見て回れるのがかなり良かった。
 ちなみに、歴史館の入場料は無料で、入館者に対しては任意で寄付を募っている。近くの県立博物館も無料だったが、このような佐賀の文化教育に対するスタンスは、もっと大きく評価されていいと思う。無料なら訪れるハードルが低くなって施設がより身近な存在となり、それだけ見たり触れたりする機会も増え、施設の主目的である教養の深化に役立つからである。