猿沢池
所在地  奈良県奈良市
奈良県庁南500m興福寺南すぐ
最終訪問日  2019/1/26
猿沢池と亀 猿沢池は、興福寺の放生池として天平21年(749)に造られた人工池で、周囲約360mほどの小さな池。平均水深は約1.0mで、最大水深は約1.5mという。
 放生とは殺生せずに生き物を自由にすることで、実行すると徳が積めるという仏教の教えからこのような池が造られたが、やがて猿沢池とも呼ばれるようになり、名勝として和歌にも詠まれた。水面に映る月は奈良八景のひとつにも数えられるほどで、猿沢池と興福寺の五重塔の風景は、写真などで目にした人も多いのではないだろうか。
 猿沢池には、七不思議や帝の寵を失った采女が身を投げたという伝説などがある。七不思議とは、「澄まず、濁らず、出ず、入らず、蛙はわかず、藻は生えず、魚が七分に水三分」というもの。澄みも濁りもせず、入る水も出る水も無いのに水位は一定で、亀は多いのに蛙はおらず、藻も生えない。魚は毎年放たれるが、魚が溢れることもなく、しかし魚が水より多いような池という意味。この言葉だけで池の雰囲気がよく解る。
猿沢池からの興福寺五重塔の眺め 采女の身投げ伝説に関しては、伝わる話が複数あるようで、入水していない話もあるそうなのだが、一番有名なのが帝の寵が衰えたのを悲しんで入水したというものらしい。駅のある西から来ると、猿沢池の向かって右手に池に背を向けて西向きに鎮座する社があるが、これが身を投げたという采女を祀る神社である。なぜ西向きかというと、采女を慰める為に建立されたものの、入水した池を見るのが忍びないと一夜にして御殿が反対を向いた為という。また、この采女神社では、中秋の名月に采女祭りが営まれている。