塩江温泉
所在地  香川県高松市
JR宇多津駅北700m国道193号線沿い
最終訪問日  2011/5/15
 讃岐の奥座敷として知られる温泉。正確には源泉が複数ある温泉郷で、内場池の更に奥にある奥の湯温泉も含む。
 高松市から南へ高松空港を越えて国道193号線を走っていくと、山間に温泉街が見えてくる。これが塩江温泉で、温泉の少ない香川県では県下最大の温泉らしい。温泉街自体はそれほど大きくないが、川沿いに数軒の温泉旅館やホテル、そして日帰り入浴施設がある。
 この温泉は、奈良時代の天平年間(729-49)の頃に名僧行基が発見して開湯したとの伝承を持ち、後には弘法大師空海が湯治を広めたという。その後も湯治場として綿々と続き、昭和初期には、琴平電鉄仏生山駅から塩江温泉鉄道が通じて大変賑わったようだ。この鉄道は、ガソリンカーというガソリン使用の車両を使った1両編成で、マッチ箱の愛称で親しまれていたという。
 泉質は、基本は単純硫化水素泉のアルカリ性低張性鉱泉で無色透明だが、源泉によってはラドン泉の表記があるように、ラドンなども含まれているようだ。
 自分が入ったのは、発見者の行基の名を取った「行基の湯」という日帰り入浴施設だったが、もともとこの一帯の泉質自体が単純泉ということもあってさらりとしている上、この施設は更に循環湯ということもあってか、温泉らしい浴感がしなかった。だが、木造の質感が良い雰囲気を醸し出している浴室と、川の音が聞こえる露天風呂やサウナも付いていながら、この安い入浴料金というのもあって、決して満足できないということはない。ただ、泉質を第一に考える人は、他の温泉旅館やホテルなどの日帰り入浴を選んだほうが良さそうだ。
 温泉街の中には、行基が見つけたという源泉が道の駅の300mほど先の橋を渡ったところにあり、六角堂というお堂が建てられている。周辺は自然が豊かな場所で、鄙びた雰囲気もあり、夜には遊歩道のライトアップもあってなかなか雰囲気が良い。ただ、現地の人の話によると、他の旅館は地下からの温泉を使ってるのに、この自噴する源泉を使った華乃荘というすぐ近くの温泉旅館が倒産してしまって、非常にもったいないということだった。確かに開湯の元湯を源泉にできるなんて贅沢な話だ。せめて日帰り入浴程度はできるようにならないのだろうか。