野島断層保存館
所在地  兵庫県北淡町
北淡町役場東1km
最終訪問日  2003/6/7
 1995年1月17日午前5時46分に発生した、阪神淡路大震災の震源となった活断層を、約140mに渡って保存展示している資料館。開館は地震から3年経った平成10年4月2日で、北淡町震災記念公園内にある。
 野島断層は、震災後9kmに渡って地表に露出し、最大で垂直方向に1.2m、水平方向に1.9mずれたが、保存されている部分は最大箇所ではなく、また露出後しばらく風雨に晒されていた為、直後の切り立った断層の姿でもないが、動かなくて当たり前という観念がある地面がこれだけ動くというのを目の当たりにすると、自然のエネルギーには圧倒されるほかない。また、地表の様子以外にも、掘り下げたトレンチによって断層の様子を見ることができ、それはまるで教科書のようにわかりやすくなっている。
 地震後、自分の自宅近くにも断層の枝葉のようなものが数10cmの段差として露出していたが、幹線道路を横切っていた為に1週間ほどで整地されてしまっていた。よく考えれば、そこは数10mの台地と平地の境目で、台地はこの繰り返しで隆起したものと考えられ、断層がこれほど身近に潜んでいるとは想像できなかったが、復旧の過程で消されずに、このように目に見える形で保存できたのは研究の上でも防災の上でも意味があるだろう。
 保存館には、断層以外にも横転したトラックを再現したものや様々な写真などの展示もあり、敷地を断層が横切っている家もそのまま保存されている。この家は、ヘリコプターで断層を撮った時に、その動きを端的に捉えられるものとしてよくテレビに映っていたが、それは高速から落ちかけたバスと同じぐらい今でも鮮明に覚えている。
 家の中を見学していると、中部地方から来たと思われる若い人が、物が散乱したキッチンの様子を見て、ちょっとわざとらしいなというような感じで話していたが、実際その時になるとあり得ない事が起こるということを知っておいてほしい。幸い自宅の被害はそれほどでもなかったが、体の上を大きなスピーカーが飛んで行ったりだとか、トランポリンのように体が跳ねて起き上がれないといったことはザラで、ひとつ間違えば死んでいたという話は山ほど聞いたし、メディアでも流れていた。この保存館を見て、そんな話に少しでもリアリティを持ってもらえるならば、断層を保存する価値があるのだと思う。