余部鉄橋
所在地  兵庫県香住町
JR余部駅東300m国道178号線交差地点
最終訪問日  2001/10/25
真下からの余部鉄橋 高さ41.5m、長さ310.6mのトレッスル式の鉄橋。ちなみに、正式名称は、戦前が餘部橋梁、戦後が余部橋梁である。
 山陰本線の建設が進められていた明治時代末期、山が海に迫っていた為、海沿いに鉄路施設の余地が無かった香住と浜坂の間は、海から近い場所にトンネルと鉄橋で通すか、内陸部を迂回して長距離トンネルにするかという2案があったという。だが、鉄橋には保守上の不安があったものの、最終的には難工事が確実視される長距離トンネルを避け、尚且つ最短距離となる現ルートが採用された。
 着工は明治42年で、同45年に完成し、同年3月1日から運用が開始され、山陰地方の大動脈として人員輸送と物流を担うこととなったが、冬の季節風や雪、潮風など、橋の材質である鉄にとっては大敵となるものが多く、橋守が常駐して補修していた時期も長かったようだ。そして、重大事故となった昭和61年の列車転落事故以来、強風時の運用が厳格化されたことにより、山陰線の列車運行の遅れの要因となることが多くなった。この為、JRと自治体の間で新しく架橋する話が出され、鉄橋に隣接して風の影響を受けにくい防風壁を備えたコンクリート橋が架けられることとなる。こうして、平成22年7月16日、架橋100周年を2年後に控えながら、その使命を終えた。
 国道178号線の真上を通り、遠くからでも赤い鉄橋が独特の風景となっていたが、今ではどこにでも見られるようなコンクリート橋となり、独特さは消えてしまったようだ。かつては駐車スペースも確保され、休日には観光客が立寄っては出発していくという、やたらと回転の早い観光地だったが、今でも鉄橋の一部が残っており、鉄橋のそばまで行けるようになっているらしい。また、周辺には、強風によって起きた列車転落事故や平成2年の台風19号による水害の碑もある。