神威岬
所在地  北海道積丹町
積丹町役場西20.8km積丹半島北西端
最終訪問日  2003/7/28
細長く馬の背のように続く神威岬 後志から突き出す積丹半島の北西端にあり、北緯43度20分、東経140度21分に位置する。積丹半島の突端は、半島と同名の積丹岬というのが一般的な感覚かと思われるが、半島が北西方向に伸びていることを考えれば、北端の積丹岬よりも神威岬の方が半島の突端といえるかもしれない。
 岬の付け根の部分に駐車場があり、岬の突端にある灯台へは馬の背のような遊歩道を20分ほど歩くが、遊歩道は所々人がすれ違えないぐらいの幅しかなく、階段もあって少し体力が要る。遊歩道が終わる灯台付近から先にも岩礁が続いているが、その中にひときわそそり立った岩があり、それが神威岩と呼ばれる岩である。
 岩は神威の名に相応しく、神々しい姿で屹立しているが、この岩の高さは41mもあり、義経と恋に落ちたアイヌの娘が身を投げ、神威岩に姿を変えたという悲恋物語が伝わっている。ただ、訪れた時は波が穏やかで、周囲の海も透き通って落ち着いた雰囲気だったので、神威岩という字面とは裏腹に、慈悲を湛える菩薩像のようにも見えた。
 今では駐車場が整備されて観光地となっている神威岬も、昔は女人禁制の地であった。その理由は、女人が立ち入ると海が荒れるからだそうで、漁師が船に女性を乗せなかったのと理由は同じようだ。それから考えると、海の神様は女なのかもしれない。
岬の突端に屹立する神威岩 そもそも岬は御崎と書き、突端を示すただの崎を神格化したもので、漁師にとって船の位置がわかる岬という存在は、命綱ともいえる非常に大切なものだったのだろう。また同時に、潮流の変わり目で座礁の危険も伴う恐ろしい場所でもあったはずである。岬の先端に神社のあることが多いのは、感謝と恐れの表れだろう。
 訪れた時は、灯台が改修工事中で無愛想なシートをかぶっており、それがただひとつだけ残念だったが、それよりも、100m近い遊歩道の上からでも海底が透けて見える、淡い青色をした海に何よりも驚いた。同じように海水が綺麗といっても、沖縄の青と白のコントラストが鮮やかな原色の海とは180度違い、その色合いの絶妙さは、これ以上ないと思えるほどの中間色の極みで、特別にシャコタンブルーとも呼ばれているらしい。その海にそそり立つが神威岩で、水平線を従えて立つ姿は、これもまたとても自然の造形とは思われない神々しさがあり、機会があれば何度でも訪れたいと思わせる場所である。