襟裳岬
所在地  北海道えりも町
えりも町役場南東13km襟裳半島南端
最終訪問日  2003/7/26
襟裳岬灯台 大雪山や十勝岳から続き、十勝と日高を隔てる日高山脈の山塊が太平洋へ落ち込む場所で、北緯41度55分、東経143度15分にあり、岬の先端は60mもの断崖になっている。しかも、山塊がズドンと落ち込んでいるのではなく、山脈の名残は沖合まで続き、延々と岩礁となって頭を突き出している。現在は、そこに野生のゼニガタアザラシが住みつき、日本で野生のアザラシが見られる最南端の地となっており、少し前にはラッコも姿を見せていた。
 風速10m/s以上の日が年間290日以上もあるという襟裳岬は、暖流と寒流がぶつかる場所でもあるので、霧もよく発生する。その為、岬の先端から少し北西へ戻ったところにある灯台は非常に重要で、珍しい有人の灯台となっており、霧の出た日には大音量で霧笛を鳴らす。
 岬の先には雄大な太平洋の眺望が広がっているが、岬の沖合は一級品の昆布が獲れる場所でもある。岬周辺には草原が広がって樹木が少なく、荒涼とした感じがするが、昭和初期には砂漠化が進行し、土砂の流出で昆布の品質が著しく劣化したという。その原因は、もともとあった森林が薪として切り出された後、強風と濃霧で環境が厳しい襟裳岬には樹木が再生しなかった為で、森林の再生には人の手が必要であった。そこで漁師たちが森林の再生に乗り出し、試行錯誤の末、ようやく現在見られるまでに回復、土砂流入の減少によって昆布の品質も安定した。つまり、この荒涼とした景色は厳しい環境を表すものであると同時に、緑が戻ったという再生を表すものでもある。
 森進一と島倉千代子がそれぞれ襟裳岬を歌っており、岬には歌碑が建てられているが、森進一が歌う襟裳岬には何もないという意味の歌詞があり、地元は好意的でなかったという。今ではそういう感情はないらしいが、現地にはやはり風力発電設備が目立つだけで、これといったものが無いのも事実だ。
岬の南に続く岩礁 ただ、歌謡曲の影響かどうかは知らないが、現在の襟裳岬は岬自体が立派な観光地として多くの人が訪れるスポットになっており、自分が訪れたときもライダーやツアーバスをはじめとした車で駐車場はほとんど埋まっていた。しかし、風の名所というだけあって常時強風が吹いており、自分も竜飛崎などで強風に煽られた経験があるが、この強風の中でバイクを運転するというのは辛いものがあるだろう。たいていは車で訪れてもまたバイクで来ようと思うのだが、今回ばかりは車で来て良かったと思った。