大塚温泉
所在地  群馬県中之条町
JR中之条駅.北東4.5km
最終訪問日  2014/5/10
金井旅館と写真左端の露天風呂 金井旅館という一軒宿の温泉で、ぬる湯で有名。
 開湯がいつ頃だったのかというのは分からないが、戦国時代末期の文禄年間(1593.1-96)の頃には、すでに温泉場として栄えていたようだ。伝承として、当時は今のような温い湯ではなく、普通の湯温であったが、温泉宿の女中が忙しさに腹を立て、馬の骨を湯に投げ入れた為、湯を守る薬師如来の怒りに触れて湯の温度を下げられてしまったという話が残っている。この文禄の末年から慶長の始め頃という時期は、関西で慶長地震が起きたり、温泉の近くでは浅間山の噴火があったりと、地殻の活動期だったようで、湯温が下がったのもその影響だったのかもしれない。
 泉質は、宿のホームページに所謂美人の湯といわれる含土類重曹泉とあり、無色透明の無臭で、少し滑らかな柔らかい浴感があった。ぬる湯で有名なように、湧出温度は34.2℃で、そのかわり長時間浸かっていてものぼせる事が無い。湯治にはもってこいの温泉と言える。
 一軒宿の温泉であるが、浴室がかなり大きく、銭湯としても営業できるほどの広さと天井の高さがあって少し感動した。湧出温度が低い為、室内の浴槽では加温しており、湯温によって浴槽が分かれているが、湧出量が豊富で、贅沢に掛け流し状態となっている。露天風呂もかなり広く、小さなプールのようで、深さもあった。こちらも湯が豊富に注がれており、贅沢な気分を味わえるが、湯温が低いだけに春秋の夜間早朝や冬場は寒いかと思われる。実際、訪れた5月の朝風呂は寒いほどの気温で、自分は入ることができたが、人によっては無理かもしれない。
 訪れた日が平日だった為、宿泊客もほとんどおらず、自分が入った時間には自分と宿の人、宿の人の友人の4人だけで、当然ながら露天風呂も貸し切り状態だった。人の気配も無い中、自然の音だけが聞こえる田んぼに囲まれた温泉で星空を見ながら入浴するという経験ができたのは、想像以上に贅沢な事だったのかもしれない。内外の浴槽は、夜には湯を入れ替えるようで、宿泊だと入浴終了の時間が早いと感じたが、翌朝7時半にはあの広い露天風呂がほとんど満たされているというのを見て、ここでも湯量の多さには素直に感心した。宿の人もざっくばらんな感じで気兼ねせずに過ごせ、自分のようなぬる湯好きの人には最適な温泉宿だろう。