明鏡洞
所在地  福井県高浜町
JR若狭高浜駅北1.5km城山公園下
最終訪問日  2009/4/18
静かな夕刻の明鏡洞 陸地が海へと落ち込み、岩がそそり立つ海岸線が続くというのが、丹後半島や若狭に見られるリアス式海岸だが、その一部が海水の浸食によって洞窟のようになったのが明鏡洞だ。高浜城跡のすぐ下の小さな入り江から、日本海の水平線を眺めることができる名勝である。
 高浜には、八穴の奇勝や高浜の八穴などと呼ばれる海食洞の名勝があるが、明鏡洞はそれらの中で最も大きい洞門らしい。
 明鏡洞という名前の由来は、洞門越しに見える日本海が鏡のように見えたことから名付けられたという。春に訪れた時は、まさにその言葉通りに鏡のような水面が洞門周辺に広がり、夕刻の陰影も相まって、静寂さが川霧のように漂う泉水式の庭園をそのまま切り取ったような景観を見せていた。
初秋の荒々しい明鏡洞 一方で、秋に訪れた時は天気があまり良くなかったのもあったのか、やや高い波が明鏡洞から幾重にも溢れ出るように打ち寄せており、かなり荒々しい姿だったのが非常に印象に残っている。この時の荒々しさは明鏡という字からはほど遠い姿だったのだが、荒々しい日本海の様子が秋の入口を感じさせ、裏日本独特の厳しさと寂びた雰囲気があり、これはこれでかなり良かった。
 春と秋で違う表情があるのはどこの名勝でもそうなのだが、明鏡洞は違った趣というのではなく全く正反対の顔というのが面白いところで、また、どちらの表情も捨てがたいものがある。